文・写真 畠山 喜代子
大会の名称は今回から「ATP500 スイス室内バーゼル」と変わりスポンサーは減少もしたが16回のグランスラム優勝の記録を持ち現在ATP4位のロジャー フェデラーの地元であり、住民の期待、スイス国民が注目するトーナメントである。
11月1日 第1回戦
錦織 圭(WC) vs T.ベルディヒ (CZE 7)
3:6/6:3/6:2
「バーゼルは初めてです。2年前出場の機会は足のケガで調整していました。 今回はワイルドカードでエントリーです。インドァよりもオープンのほうがいいですね、サーヴがうまくいきます。 夜中まで試合が続くことはたまにはあります。 あ、足は上海の後遺症です。 もうだいぶよくなりました」
右足首を氷袋を巻きつけて、深夜の勝利者記者会見は選手控え室で、スイス人2、日本1人、通常は英語だが、今後は日本語のインタビュータイムが組まれることになった。
11月3日 第2回戦
錦織 圭(31) vs A.ゼッピィ(ITA 52)
6:3/7:6(4)
「昨日はここからだいぶ離れたところへ行ってトレーニングをやりました。今日の相手は初めてですが、2セット目をタイブレークで取れてよかったです」
圭の右手根関節はあたかも360度?に回転するごとく見えた、という問い合わせに「初めて言われましたが、もう子供のときからすごい練習を重ねたんです。自分のアイドルはフェデラー、尊敬しています。彼のマッチはテレビでもじっくり見ています。来季への目標はATP20位に行きたいです。今回はここまで来たから最後まで(決勝か)やるしかないです」
11月4日 準々決勝
錦織 圭(31) vs M. ククシキン(KAZ 66)
6 :4/5:7/6:4
M.ククシキンは1回戦の1セットめでJ.ブレィクが早々にリタィアしたため錦織との対戦にあがってきた。「出だしはいつも調子が出ないのですが1セットの後半でサーヴもうまくいきました。彼との対戦は初めてです。2セットは攻撃してきましたね。体力的にも厳しかったです。 自分のエラーも多かったですし、やりにくい相手でした。
3セットでは同点に追い込まれたのですが、勝たなければいけないと自身にプレッシャーをかけ、サーヴがうまくいきました」
この日から観客席の記者席後方に陣取っているフェデラーの支持者から「カムォン ケイ!」の掛け声が始まった。
11月5日 準決勝
錦織 圭 vs N.ジョコヴィッチ(SRB 1)
2:6/7:6(4)/6:0
世界1位のジョコヴィッチに終始ふりまわされた錦織への声援はフェデラーの支持者、会場全体から高まった。
26分にブレイクして1点、ジョコヴィッチのダブル フォルトで1点をあげたものの26分で第1セット終了。 ジョコヴィッチは右肩の治療を要求した。
2セットめはロングラン23回もの打ち合い、ストップボール展開、錦織はエースも決めて、観衆の声援はさらに高り, タイブレークで錦織は2セットめを取った。 右足捻挫には包帯を巻いてもらい3セットめは錦織が終始リード、サーヴでうめき声を上げるジョコヴィッチに観衆は静かになった。ただの1点も挙げることなく20分で世界1位は錦織に屈した。
「ジョコヴィッチは偉大です。 彼がケガをしていなかったら結果は異なったと思います。 2セットの後半からやっとペースに乗れましたが、自分のプレイに専念することにきめていて、決勝なんて考えていませんでした。 自分のベースラインはリスクはしないこと、マッチの波に乗ることです。明日の対戦はフェデラーを望みます」
11月6日 決勝戦
ロジャー フェデラー(SUI 4) vs 錦織 圭
6:1/6:3
観衆の声援は「頑張ってぇ!」 も聞こえたが 「アレー ロッチャ」ロジャー行けっ!は盛大だった。
1セットは28分で、2セットは後半に同点まで持ち込んだものの、余裕たっぷりのフェデラーにストレートで敗れた。
「フェデラーの速いプレーについていけなかった。 攻めなかればだめ、と思い直してたときはもう時間がありませんでした。 今回で一番厳しい相手はフェデラーでした。 疲れたけど楽しかった。 自分のチャンスがどこに、どれだけあるのかという勉強もしました」
「6週間の休みで準備もできたのはこれからのマッチのためにはよかった。 マッチ以外の行事、はあまり好きではないが、バーゼルは自分のコートだと思いスポーツに専念できる。圭にはスピードの変化に応して、来年はもっとたくさんの経験をもとにバーセルにきてほしいと思う。 5回目の優勝トロフィは家にもっていくよ」 と、記者会見のフェデラー。
表彰式で「非常にナーバスになっていました。尊敬するフェデラーに負けても目的に達することができてうれしく思います。 ワイルドカードを与えてくれて感謝しています。 皆さんのご支援有難うございました」
「ケイ、おめでとう。10代の君をみていましたよ。バックランドの皆さん、スーパーなテニスを有難う。スポンサーへ私にとって例年の楽しみ、うれしいこと、偉大です。 応援の皆さん有難う」手にした優勝トロフィに涙を落とすロジャー フェデラーと清清しい表情の負者、錦織 圭であった。





