「Heart Beat -プレーヤー達の心動(こどう)」 Photo 加藤誠夫

 

かれこれ、遡ること20年前、スポーツ誌の女性編集者から言われた一言 「よかったらバスケットボールの撮影してみない・・」きっかけは些細なワンフレーズだった。「バスケットは面白いからきっとハマるはず」近々撮影できるように用意しておきます。 とこちらの返事の前、既に話は出来上がっていたようだった。(今思うと目を付けられていたのかもしれない)

あれから時間も年月も時代も劇的に変化し、小学生だった選手はいつの間にか社会人プレーヤーに成長し国を代表するまで到達していた。中学生の頃初めて話した選手は社会人プレーヤーを経験し現役を退いた数年後、子供と一緒の葉書をいただくまでキャリアを重ねてしまった(笑)

現在、日本のバスケットボールが世の中を騒がしている。 国際連盟(FIBA)からの勧告を受け男女日本チームは国際大会参加停止処分を受けている危機的状況下、国内リーグは粛々とスケジュールを進めている。活躍中の選手たちに話を聞いてみると共通している考えは「「今」バスケットボール界全体が抱えている問題を一刻も早く解決へ向けていって欲しい、私たち選手ができることは魅力あるゲームを多くの観客と共有することが一番」と話す。

2014年12月、日本バスケットボール界改善の為FIBAタスクフォースチーム(特別作業班)が来日し改革作業に着手する。 「一定の成果が出るまではチームが離れることはない、出来るだけ早期決着が望ましいがその期限はわからない」とFIBA事務総長はコメントを残している。 それぞれの異なる状況に置かれている選手達も、このスポーツを愛し人生をかけて取り組んでいる姿に 我々にはいったい何ができるだろう?ただ一つ、決して歩みを止めてはいけないと・・

「JAPAN BASKETBALL NEVER STOPS」

日本のバスケットボールシーンが大きな変革の路を進もうとしている。 誰も手を付けなかったブラックボックスが明かされようとしている。 出来ることは現実に晒されながらも進んでゆく選手たちを可能な限り声高に応援し続けていきたい。 色々な競技を撮影してきて多くの人間模様をこれ程身近に感じることは無かった。 年数を重ねれば重ねた分だけ数多くの現実を受け入れ、愛着も深くなるのは「溺愛」してしまった証なのか、 その答えは未だに見つかっていない。

<著者・撮影者紹介> 加藤誠夫?(かとう よしお)

1965年 神奈川県出身 東京写真専門学校 (現:東京ビジュアルアーツ )卒 中学生の時に見たテニス専門誌の写真にショックを受け、カメラマンを志す。 テニスグランドスラム(オーストラリアン・フレンチオープン)他ヨーロッパツアー、サッカーワールドカップ韓国/日本、アジア競技会、バスケットボール世界選手権・アジア選手権、バレーボールワールドカップ、新体操、剣道、スキー、F?1日本グランプリ 等 スポーツシーンのみならずタレント・映画監督、風景撮影など幅広いジャンルでも活動を広げている。

?活動?1994年?現在 Jリーグ・オフィシャルカメラマン 2002年FIFAワールドカップ日本/韓国大会参戦 2006年FIBA世界選手権日本大会 組織委員会公式カメラマン 2009年FIG第29回世界新体操選手権 組織委員会公式カメラマン