「JAPAN RUGBY TOP LEAGUE 2014-2015」 Photo 井田新輔

 

2015年2月1日今季のジャパンラグビートップリーグの掉尾を飾るトップリーグプレーオフトーナメントLIXIL CUP2015ファイナル、パナソニックワイルドナイツ対ヤマハ発動機ジュビロの一戦はパナソニックが初の決勝進出を果たしたヤマハ発動機を30対12で退け2年連続3度目のトップリーグ王座を獲得した。

NZで名声を得たロビー ディーンズHCのもと、昨年のMVPプレーヤーベリック バーンズ、日本代表に名を連ねる田中史朗、堀江翔太、山田章仁を擁しファースト・セカンドステージで苦杯を喫した東芝とヤマハにプレーオフトーナメントでは雪辱を果たして堂々の2連覇であった。

いま日本のラグビーは2019年に開催されるラグビーワールドカップに向けて変革期を迎えつつある。

代表チームのさらなる強化、南半球最高峰リーグであるスーパーラグビーへの来年度からのフルシーズンの参戦、五輪種目となった7人制ラグビーへの継続的な強化などこれまでにない積極的な取り組みを見せており、それは昨年度の日本代表チームの好成績など成果も徐々にあげつつある。

しかし現在ラグビーを取り巻く環境は4年後に向けて楽観視できる要素は残念ながら多くはない。

いま日本のラグビーに必要なことはトップカテゴリーの強化と同時にジュニア層へのラグビーの普及あるいはスポーツに関心を持つ人々へのプロモーションなど裾野まで広範囲かつ地道な活動を同じウエイトで展開することではないだろうか。

ラグビーワールドカップは単にホスト国あるいは参加国の勝敗のみならずその国のスポーツを取り巻く環境を含めた多くの事柄がラグビーを通して問われる場でもある。

2019年秋、オープニングマッチで新国立競技場のピッチに立つ桜のジャージのフィフティーンは日本ラグビーの歴史にどんな一章を書き加えてくれるのだろうか。

<著者・撮影者紹介> 井田新輔(いだしんすけ)

1961年東京生まれ。 明治大学政経学部卒。4年余りの会社員生活ののち写真への想い立ちがたく1989年よりフリーランスフォトグラファーとして活動を開始。 現在はラグビー、プロ野球の取材をメインにスポーツグラフ誌、専門誌、書籍の装丁等を中心に活動している。ラグビーW杯は1999年ウェールズ大会より4大会連続で取材している。