第8回AJPS AWARD 2014は会員及び実行委員からのノミネート者4名からの選考作業に入りました。実行委員による協議、審議いたしました末、AJPS AWARD2014は寺本進氏(元セパタクロープレイヤー)、朴柱奉氏(バドミントン日本代表ヘッドコーチ)2名の方々に決定いたしましたことをお知らせいたします。
第8回 AJPS AWARD 2014「朴柱奉」氏、「寺本進」氏に決定!
■受賞理由 「アテネオリンピック後にヘッドコーチに就任後、男女ともに世界と戦える選手 の育成と実績に目を見張るものがある。更に2014年は国別対抗の男子トマス杯 で初優勝。女子のユーバー杯では2位と躍進を遂げ、来年行われるリオデジャ ネイロ五輪においても大いに期待できる」として選出されました。
朴柱奉(ぱくじゅぼん)
1964年12月5日生まれ。国際大会において主にダブルスの選手として1980年代から1990年代半ばにかけて活躍。1992年のバルセロナ五輪男子ダブルス金メダル、1996年のアトランタ五輪ミックスダブルス銀メダル、世界選手権では通算5回の優勝、アジア大会では通算2回の優勝をあげる。
2001年に国際バドミントン連盟(現・世界バドミントン連盟)の殿堂入りを果たす。現役引退後にコーチとなり、母国の韓国やマレーシア・イングランドで実績をあげる。2004年から日本代表のヘッドコーチを務める。2008年の北京五輪で女子ダブルスがベスト4に進出し、2012年のロンドン五輪では女子ダブルスの藤井・垣岩組が史上初となる銀メダルを獲得する。更に昨年の2014年、男子国別対抗戦トマス杯で悲願の初優勝、歴史的快挙を達成した。また女子国別対抗戦ユーバー杯では33年ぶりに決勝に進むが惜しくも準優勝に終る。来年のリオ五輪での益々の活躍が期待される。
■受賞理由 「日本セパタクロー界の第一人者であり、20年の長きに渡り第一線で活躍。また 、単身、タイに渡り外国人としては初のプロリーグに参戦。2014年仁川アジア 大会にて引退。長きにわたってマイナー競技を支えてきた功績は大きい」として選出されました。
寺本進(てらもとすすむ)
1976年1月28日、広島県生まれ。山陽高校3年の時に地元広島で開催されたアジア大会のプレ試合に出場するためセパタクローに出会う。
高校卒業後はセパタクローで亜細亜大学の一芸一能試験に合格。本格的にセパタクローに打ち込むと、すぐに頭角を現し、日本代表のエースとして活躍。
2004年にはセパタクローの本場タイに渡り、唯一の外国人選手としてプロリーグに参戦。2010年まで実に7シーズンを過ごした。2010年の広州アジア大会では団体、ダブルの2種目で銅メダルを獲得。2014年、ダブルで銅メダルを獲得した仁川アジア大会を最後に、20年の現役生活にピリオドを打った。
制定の経緯
AJPSも一昨年、30周年を迎えることができました。そこで新たな気持ちでAJPSの未来と方向性を再認識し、進むべき道しるべを示していかねば、と考えるようになりました。そのためにAJPS国内部(07年度)として、どのような行動をとるべきか、よりAJPS国内部を発展させ活性化させることが求められるようになりました。 そこで、AJPS国内部では各スポーツ部会の協力の下、日頃お世話になっている各競技団体、選手、スタッフの方々を対象に何かの恩返しが出来ないものかといろいろ協議した結果、この1年間、(1月から12月)活躍した選手やチームに対してAJPSから賞を贈ってみてはどうか、という提案がありました。この賞を贈ることにより、今まで以上に各種競技団体、選手、チームなどとの距離が縮まり、更により信頼関係が深まっていく機会が生まれるのではないかという期待を込めてこの「AJPS AWARD」を制定した次第です。
第8回 AJPS AWARD 2014 表彰式
2015年度(平成27年 度)AJPS総会後の懇親会にて、AJPS AWARD2014の表彰式が開催され、受賞者の寺本進氏、受賞者の朴柱奉氏に代わりバドミントン協会専務理事今井茂満氏お招きし、当協会会長より記念品の写真盾が手渡されました。
第8回 スペシャルインタビュー 今井茂満氏
バドミントン協会専務理事 今井茂満氏にお話を伺った。
・・アテネ五輪残念な結果を受けて即、11月には朴氏と契約、これは素早い対応でしたね?
ダブルスの神様という異名をとったほどの名選手であり、コーチとして関わったチーム(イングランド、マレーシア)は皆、レベルアップさせている手腕にも注目していました。ちょうど契約更改の時期だったことも双方にとって幸いした、これは運であり縁ですね。
・・その後、着実に日本チームでも実績をつんでいますが、どんなコーチ、どのような人柄ですか?
モチベーションの上げ方が上手いですね。練習についても、「やらなきゃ!」という気持ちにさせる。(練習を)これだけやれば、ほらここまでできた!そのうえ、これをやればこうなるとどんどんのせていく。それは朴氏自身が(トップ選手として)やってきたことだから説得力もあるし、経験値がいわせることなので選手も聞くし、効いてくる。
バドミントンは練習量と実力が正比例する競技です。天性より努力が勝ちます。だから朴コーチにとっては選手に普通の練習をさせただけなんでしょう(笑)。
・・ここ数年、選手のより高いレベルで戦う姿が我々にバドミントンという競技の魅力を伝えていると思います。朴氏とのタッグで今後のビジョンはどう考えていますか?
(バドミントンは)ここ何年も登録人口が減っていません(少子化の中でも)。これは自慢していいと思います。どの競技もそうだと思いますが、我々も朴コーチをはじめ一丸となって「オリンピックのメダル」を合言葉にしています。ただ出場権を得るだけでなく、高いレベルの大会で、いい試合をしていくことがアピールにつながる。勝ちにこだわる朴コーチの考え方が根底にあります。
(取材/構成=設楽淳子)