「ACL取材はやめられない」 Photo 徳丸篤史

 

中学、高校、大学と日立台のゴール裏で声出していたサポーター時代。 このまま柏レイソルの近くにいたい。なんとかサッカーを仕事に出来ないものか…なんて事を思い描いていたら、他のものに浮気しなかった甲斐あって、いつのまにか誰よりも選手に近い“ピッチサイド”という特別な場所で写真を撮るようになっていた。 2014年シーズン、ガンバ大阪がトレブル(三冠)を達成。ほんのり悔しいながらも、繰り上がりで柏もACL出場権を獲得することが出来て歓喜した昨年末。来年は大変だぞと思いながらも口元が緩んだ。 ACLを追うのは本当に大変だ。けどそれに見合った喜びも与えてくれる。Jリーグとは少し異質の緊張感と、そこから生み出される激しい感情といい顔。それらを撮るのが楽しくて仕方がない。 最後はまたしても広州恒大に敗れる。苦しい状況の中、残り少ない時間で交代を告げられた工藤は、スコアボードを睨みつけながらピッチを去り、それでも試合を諦めていない気持ちがレンズ越しに伝わってきて、自分の中でなにかが満たされた。これだからACL取材はやめられない。また柏と共にこの舞台に来ようと誓った。 ACLは病みつきになる。


<著者・撮影者紹介> 徳丸篤史(とくまるあつし) 1979年千葉県生まれ。大阪芸術大学卒。卒業後、スポーツ新聞の写真部バイトや、一般新聞の契約カメラマンを経て、現在はサッカー専門新聞エルゴラッソと契約しサッカー中心に撮影している。日本スポーツプレス協会(AJPS)会員。