ニコンイメージングジャパン 「ニコンD850」 製品説明会開催

2017年9月25日にニコン品川本社にてAJPS会員向けニコンD850の製品説明会が行われ、協会会員16名が参加しました。

当日はニコン担当者の方より具体的な製品説明を受けた後、D850の事前試写を行った佐野美樹会員、早草紀子会員、近藤篤会員がそれぞれの現場において撮影した写真を披露しながらカタログだけではわからない製品の感触を話しました。その後用意されたD850と交換レンズを手にニコン担当者との懇談を行いました。

ニコンD850の特徴は何といってもFXフォーマット4575万画素のセンサーを搭載していること。これまでのカメラでは捉えきれなかった質感描写を実現していると同時に下記のような新機能を搭載しています。多くの新機能の中からいくつかピックアップしてみます。

1、静止画ライブビュー時に電子シャッターを使用するサイレント撮影が可能
2、自然光下で最適なホワイトバランスが得られる新ホワイトバランス「自然光オート」
3、カメラ内「RAW現像」の一括現像
4、撮影倍率0.75倍の光学ファインダー
5、ネガフィルムをデジタルデータ化出来る「ネガフィルムデジサイズ」

上記の他にも強化されたムービー機能など、旧製品から大幅な進化を遂げた製品となっていることがわかります。

 

試用したフォトグラファー会員からの感想

早草紀子
今回はビーチバレーとスナップショットで試写した。
普段使用しているD5とは比べるとAFやボタン操作時のレスポンス、シャッタータイムラグなどにズレがあるが、それは目的が違うカメラと考えている。以前にD700を使用していたこともあり、D850に対しても違和感はなかった。
D850で搭載されたチルト液晶はD5にはないものだが、ローアングルでの撮影時は体を低い姿勢で保つ必要がなく、とても便利だと感じている。
またバッテリーグリップを着脱することによってボディの重量や大きさを変えることが出来、目的に応じて使い分けたい。例えば出張先で街歩きをする時はバッテリーグリップを外し、試合の時は付けるという選択肢もある。
新機能のネガフィルムデジサイズはカラーネガを大量に保持している者としては大変魅力的だ。

 

佐野美樹
被写体はサッカーをメインにインタビューカットでも試写を行った。
テスト撮影ということもあり、カメラの性能を評価しやすいようにすべてJpegラージファインで撮影し、ノートリミングのままお見せしている。
サッカーでの使用レンズは全て400mmF2.8を使用しているが、フォーカスがバシッと来るとすごくクリアな画像を作り出す。コントラストの低い黒いユニフォームの被写体でもしっかりピントがくる。
最初に使用した時はD5と比べるとどうしてもシャッタータイムラグがあると感じた。2回目以降はD850のシャッターのタイムラグを考慮してシャッターを切ると問題ないと感じている。少々の慣れが必要かもしれない。また高画素化の影響か、本当にピントがシビアであると感じている。4575万画素ということで写真をトリミングしてみたが元画像の大きさもあり、フォーカスが来ていれば雑誌の見開き程度であれば十分使用に耐えられるようだ。
操作感の部分ではマルチセレクターの感触がよいことは好材料だった。
気になる点としては一つのデータ容量が大きいことだろうか。Jpegラージファインで 1枚40MBは取扱いが大変だ。

 

近藤篤
近年発売されたニコンのカメラボディの中で一番コストパフォーマンスがよいのではないだろうか。よくできていると感じる。
画質はとても素晴らしい。高画素の恩恵もあり、トリミング時に画質をキープできるのはすごいし、シャッターの感触も心地よい。
D5と比べればスポーツシーンに限定してみると劣る点があるかもしれないが、Jpegで撮影してアドビライトルームで画像調整しても色くずれがなく、シャープネスやディティール再現もよいと感じている。このカメラはプリントで大きく写真を見せたいカメラマンにとってはとても有効なものなのではないだろうか。
今回は85mmF1.4を使用してモデル撮影をしたがピントもバッチリだった。
更に希望を言えば小型のD850に付ける小さな薄いレンズがほしい。

(レポート:中西祐介 撮影:井田新輔、加藤成一)