スポーツ写真を撮り始めてから、ありがたいことに様々なスポーツの取材機会をいただいている。
競技経験がほとんどない私にとっては、アスリートは常に尊敬の対象であり、歳の近い選手には畏敬の念すら覚える。
アスリートの輝く瞬間を、エネルギーが発散される瞬間を、切り取りたいと思いこの仕事を続けている。その中でも、この仕事を始めてから強い興味を持つようになったのが、陸上競技だ。
学生時代、誰しもがその一端に触れたことのある陸上競技。走る、跳ぶ、投げるといった、どのスポーツの根幹にもなる動作が多く、選手それぞれが、その競技に適した身体になっているのも興味深い。
同時多発的に競技が進む陸上競技は、撮りたい選手、種目、そして撮らなければならない選手、種目の作戦を練るのも面白い。タイムスケジュールと睨めっこをするのが常であり、それもまた醍醐味に感じている。
また、様々な場所から撮影ができることが多く、種目に合わせて場所を選びながら撮影している。その中でも種目を象徴するような写真が撮れる場所を意識し、少しでも目新しい場所がないかを、いつでも探している。大会後には、同業者達のSNSを見ながら、好きな写真を見つけると、どこで撮っていたのかを考えて嫉妬する日々だ。
嫉妬ばかりはしていられないので、負けられないと発奮しながら、撮影に打ち込んでいる。その中で、少しは撮りたいものが撮れたと思える写真たちを寄稿させてもらった。
こういう絵が撮りたいなと思って撮れた写真。この選手がこの大会で、9秒台を出したら面白いと思いピンポイントで取材に行った大会での写真。競技写真よりも世界記録を出したら、喜びをここで爆発させるだろうと思って待ち構えていた写真。
その時々で、狙いを持って準備をし、撮影をする。
単純で当たり前のことかもしれないが、これからも大切にしていきたい。入会するきっかけも、ただ撮るだけではなく写真表現を極め、こんなにも面白いスポーツ写真を、より面白いものにしていきたいと思った一心である。

ただ、機材の準備と撤収の遅さは、今後も改善する余地は大いにありそうだ。
原田 健太(はらだ けんた)/フォトグラファー
1990年生まれ。埼玉県出身。大学卒業後、日本写真芸術専門学校へ入学。2014年より、Agence SHOTへ入社し、Jリーグを中心に様々なスポーツを取材。2021年よりフリーランスとして活動している。
