「NECを優勝に導いた2人のセッター、秋山美幸と山口かなめが歩んだ苦悩の日々」 Text 田中夕子 / TANAKA YUKO

優勝を決めるポイントは、19歳のルーキー、柳田光綺に決めさせたい。2?1とリードして迎えた第4セットのマッチポイント、NECレッドロケッツのキャプテン、秋山美幸はライトの柳田にトスを上げたが、久光製薬スプリングスのブロックにタッチを取られ、1本では決まらない。

「刻まれた新たな歴史――セパタクローに懸ける男たちの物語」 Text 岩本勝暁 / IWAMOTO KATSUAKI

約束の時間は20分ほど過ぎていた。
北千住の裏通り。パチンコ屋の2階にあるレトロな喫茶店には、夕飯の買い物を終えた主婦の笑い声が響いていた。薄暗い照明と深紅の絨毯。だだっ広い空間を生かした贅沢な間取りが、昭和のたたずまいを感じさせる。

「エディー・ジャパン、ウェールズ戦勝利に見えた成長」 Text 斉藤健仁 / SAITO KENJI

歴史は再び塗り替えられた――。
「エディー・ジャパン」ことラグビー日本代表が、2012年秋、アウェーでの欧州勢(ルーマニア・グルジア)打倒の白星に続き、13年6月15日、2年連続ヨーロッパ王者に輝いていた「レッドドラゴンズ」ことウェールズ代表を、対戦13戦目にして初めて打ち破った。

「女子バスケはなぜ3大会ぶりの五輪出場を勝ち取れたのか」 Text 小永吉陽子

アジア2連覇を達成するとともに、リオへと続くオリンピックロードを鮮やかに駆け抜けた。
9月上旬、女子バスケットボールのリオ五輪予選を兼ねたアジア選手権が中国・武漢にて開催され、日本は決勝で中国を85-50の大差で下して3大会ぶりとなるオリンピック出場権を獲得した。

「魂の抱擁――1978年アルゼンチン・ワールドカップの情景」 Text 大住良之 / OSUMI YOSHIYUKI

1978年6月25日、私はまだ26歳だった。「それ」を見た瞬間、頭にかっと血が上ったのも無理はない。
アルゼンチン・ブエノスアイレスのリバープレート・スタジアム。25日間のワールドカップも、この日、地元アルゼンチンとオランダの決勝戦でフィナーレを迎える。広くない記者室はざわついていた。