「CP+2026」ソニー、ニコンのトークステージにAJPS会員が登壇。最新機材の魅力と撮影の極意を熱く伝える

2月26日から3月1日までパシフィコ横浜で行われた「CP+2026」。2月27日のソニーのステージに奥井隆史会員・田中宣明会員が、NikonブースNステージに近藤篤会員がそれぞれ登壇した。当協会50周年のPRも兼ねて、メーカーの叡智の結晶たる機材で撮影した作品を紹介したステージには、関心のある多くの観客が集まり聞き入っていた。

SONY(ソニーマーケティング株式会社)

田中宣明会員(左)と奥井隆史会員(右)

陸上競技を撮影する奥井会員は、レーンにいる複数の選手の中から一人だけにピントを合わせ、前後の選手をぼかして撮影した作品を披露。スタートと同時に一斉に動く選手の中にはピントを合わせた選手の前を横切る選手もいるが、評判の高いソニーのオートフォーカスとトラッキング性能によってピントが合い続ける中でシャッターを切ることができた。競技時間わずか10秒というものもあるが、手、足、表情、目と、全てが美しく整う一瞬を捉えるために秒間30コマの高速連写を利用し、その中から1枚を見出すことをしている。

フィギュアスケートを撮影する田中会員は、足元のエッジから指の先までを収めたフィギュアスケートの基本構図の紹介。そのほか、この日のために用意したノートリミングの作品は競技だけでなく、演出の一環で照明も入るショーの作品も披露した。スケーターの表現のために作品化されたステージは、時に暗転した状況下での撮影となる。被写体の速い動きにも対応しながら高感度撮影にも威力を発揮するα1 llやα9 lllをボディに、400mm、300mm、135mm、50-150mmなど多彩なレンズラインアップを駆使して氷上のアスリートの一瞬を撮影をしている。

単焦点レンズのボケ感の美しさとフォーカスの秀逸さもさることながら、両者が口を揃えたのはFE 50-150mm F2 GMの新鮮さ。これまで70-200mmを使用していたところを50-150mmに持ち替えると、今まで撮影が困難だった写真を収めることができ、新しい表現の幅が生まれたという。そのほか、陸上競技、フィギュアスケートの双方で活躍する、敏捷で高精度のオートフォーカス、動き続ける被写体を追従し続けるトラッキング性能の優秀さを実感。ソニーの機材群が持つスポーツフォトに必要なマシンスペックの素晴らしさを語っていた。

ソニーのステージでは、奥井・田中両会員の紹介後とステージ終盤の2度、本年50周年を迎える当協会や、2026年秋に予定している周年事業等をご紹介いただいた。

 

Nikon(株式会社ニコンイメージングジャパン)

近藤篤会員(左)とNumber PREMIERディレクターの涌井健策氏(右)

銀塩の時代からNikon一筋の近藤篤会員は、約40年間、世界を飛び回り撮影した写真の数々を披露した。カメラを持ちながらバックパッカーをしていた若き日、南米のサッカー大会に来ていたカメラマンに「なんで写真始めないの?」と言われた。当時生活を送っていた南米のカメラマンはほとんどがNikonのユーザーだったので自身もNikonを手に取った。

「スポーツを撮っていると、この世の全ての動くものを撮れるようになる」という自論を語り、キューバのボクシング、ポルトガルの闘牛、メキシコのカウボーイ、アルゼンチンのタンゴなど世界のさまざまな動く被写体を撮影。その上で、「スポーツを撮っている人は被写体をスポーツに限らない方がいい」。スポーツの写真が上手くなりたいのなら、他の被写体を撮った方が結果としてスポーツの写真もいいものになるという。

写真は上手い・下手ではなく、感情が何に、誰に向いているかというのが重要な要素。スポーツで考えると撮影対象は単に競技だけではなく、ポートレート撮影の時には、選手の根底にあるものを理解しようとしながら撮影。そこで生まれる会話やコミュニケーションの対価として、選手は一肌脱いでくれた表情を見せてくれる。そんな距離感を構築し、今なお親交があるサッカー界のレジェンドと言うべき選手との撮影秘話も写真を交えながら語っていた。そこにいる人、そこにあるものを理解しようとする姿勢がとても大事という。

近藤会員のカメラマン生活の中で、フィルム、デジタル、ミラーレスとNikonの機材も進化を遂げてきた。写真はフィルムと思っていた時期もあったが、デジタルは意思やコンセプトの反映を可能にさせ、近年では映像撮影もしている近藤会員は「Z9は撮れる美しさが全く違う。いい写真のさらにひとつ上を求めるのならミラーレス」と信を置く相棒を高く評価していた。

Nikonのステージでは、近藤篤会員の登壇前とステージ終盤の2度、本年50周年を迎える当協会や、2026年秋に予定している周年事業等をご紹介いただいた。

(レポート:石井啓祐)