「写真が上手くない僕が、写真の上手い人に立ち向かう方法」 Photo 足立雅史

 

「僕は写真が上手くない」

自分で言うのもおかしな話だけれど、本当にそう思う。

世の中には「これぞ決定的瞬間!」という写真を撮る人や、圧倒されるくらい素敵な写真を撮る人もいる。

恥ずかしながら、純粋に「すごいなぁ」と感心してしまうことのほうが多いかもしれない(同じ仕事をしている者として、感心している場合ではないけれど…)

そんな写真が上手くない僕が、写真の上手い人に立ち向かう方法。

それは…

「歩いて、見る」ということ。

スタジアムをぐるぐるぐるぐる…

同じところを行ったり来たり…反対側はどうだろう…。

もう一周…寝転がってみたらおもしろいかもしれない…。

三度目の正直。

シャッターを切ってみる。

そこには、今まで撮ることができなかったものが意外と写っていたりする。

サクラ咲く春、8月の青空、十五夜の月、雪のスタンド…

老若男女、アフロにメガネ…

どこにでもあるようで、意外にない瞬間。

そんな瞬間を探し続けていきたいと思う。

「今日も一日歩いて、見よう」


<著者・撮影者紹介> 足立雅史(あだちまさし)

1983年、東京都生まれ。日本ジャーナリスト専門学校写真学科卒。中学生の時に見たスポーツ雑誌の写真に憧れを抱き、スポーツ写真の世界を志す。2006年よりフリーランスとしての活動を開始。国内サッカー、野球を中心としたスポーツの撮影を行っている。「人に何かを感じてもらえる写真を撮ること」が日々の目標。