「FIVB WOMEN’S CLUB WORLD CHAMPIONSHIP 2015」 Photo Michi ISHIJIMA

 

『苦しくなったら大きく深呼吸してごらん、ボクはいつでもそこで応援しながら写真撮っているから』

「ミチさんの写真は観ればすぐ誰が撮ったかわかる」「内面まで観られているような写真」被写体になってくれている選手達によく言われる言葉。ただし「ミチさんの写真、スキです」とは言われても「ミチさんがスキです」とは言われた事がない(苦笑)。

今から29年前、バレーボールから始まった写真撮影を仕事とする事。誰よりも年下であったはずなのに、いつの間にかお父さんのような歳になってしまっている。中学生の頃、全日本バレーボールチームに往復はがきでファンレターを出す事が流行った。ボクのアイドルは中田久美選手だった。その中田久美さんもいつの間にか監督になり、世界一を穫りに今年もまたチューリッヒに出向いた。昨年は同大会2敗して国内のどのチームよりも長いシーズンを終え、今年は欧州チャンピオンを破り1勝を上げた。来年再びこの地を訪れる為には今年秋にアジアチャンピオンにならなければならず、再来年訪れるには今年の皇后杯を征して、来年のアジアに挑んでからとなる。

全日本として、クラブチームとして真剣に世界一を穫りにいかなければ出来ない経験がそこにある。真剣に日本一の喜びを得るまでには辛さもある。ボクはそこで空気のように存在し、そんな真剣なひと達にひっそり寄り添い、ともに喜び、哀しみを写真に収め、苦しい中での小さなゆとりとして存在していたいと想っている。誰のための写真ではなく、真剣に今の自分を挑んでいるひと達本人に贈る写真を撮影するものとして。

<著者・撮影者紹介>?Michi ISHIJIMA /石島道康(いしじまみちやす)

1966年群馬県桐生市生まれ。1986年にバレーボール写真撮影から始まった撮影仕事はジャンルを問わず。カメラマンという呼称を嫌い、最近はフォトグラファーという呼称すら違和感を持ち、撮影そのものが存在意義である職業『Michi ISHIJIMA』。

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