「魂の抱擁――1978年アルゼンチン・ワールドカップの情景」 Text 大住良之 / OSUMI YOSHIYUKI

1978年6月25日、私はまだ26歳だった。「それ」を見た瞬間、頭にかっと血が上ったのも無理はない。
アルゼンチン・ブエノスアイレスのリバープレート・スタジアム。25日間のワールドカップも、この日、地元アルゼンチンとオランダの決勝戦でフィナーレを迎える。広くない記者室はざわついていた。

「進化する、世界最強。プロ車いすテニス選手 国枝慎吾」 Text 宮崎恵理

世界屈指のバックハンドを持つ男。
テニスのグランドスラム大会車いす部門やパラリンピックの車いすテニスで数々のタイトルを手にしている国枝慎吾の武器の一つに、バックハンドのトップスピンがある。車いすを操りながらバックハンドでトップスピンをかけることは難しい。