「Dear Skater <リンクに吹く風>」 Photo 藤田孝夫

僕は四国で生まれ育った。未だに、スケート靴を履いた事が無い。だから“氷に立つ”という感覚が分からない。ましてや“速く滑る”感覚など、全く未知の世界だ。スケートと僕の間には、歴然とした距離感がある。いくらシャッターを切っても、なかなか埋まらない距離がある。

ここ数年、縁あって冬はスケートばかり撮っている。世間のスポットライトはフィギュアばかりに当たりがちだが、ただ”速さ”だけを求めて競うアスリートたちもいる。

「助けて下さいよ〜」

あるワールドカップで、絶不調の長島がおどけながら話しかけてきた。逆に苦悩を感じさせる笑顔だった。外国からのコーチ招聘、練習拠点の海外移動等、ソチが終った今、日本のスピードスケート界は変わろうともがいている。

「スピードスケーター」、氷の上の0.01秒を競うために、人生を捧げる人々。愛おしいアスリートたち。だからもう少しだけ、彼らにアプローチしたい。スケートはできないけれど….。

 

<著者・撮影者紹介> 藤田孝夫(ふじたたかお)

1964年、香川県生まれ。スポーツフォトエージェンシーのフォート・キシモトを経て1991年フリーランスに。
1992年、スピリットフォトスに参加、 現在に至る。冬季・夏季オリンピックは1988年のカルガリーから2014年のソチ大会まで15大会を取材。
その他 FIFAワールドカップ、世界陸上、世界水泳など豊富な経験を持つ。