「神の恩寵を受け、神の気まぐれに翻弄された男――ロベルト・バッジョ」 Text 片野道郎 / KATANO MICHIO

1985年5月5日、アドリア海に面したリゾート地リミニでは、セリエC1(イタリア3部リーグ)のリミニ対ヴィチェンツァが戦われていた。ひなびたスタジアムに千数百人の観客を集めた、イタリアのちょっと大きな都市ならどこででも見られるありふれた下部リーグの試合である。

「プレミアを去るアイコン、ジェラード。彼がトロフィーの代わりに手にした称号」 Text 田邊雅之 / TANABE MASAYUKI

「最後の最後まで、こんなシナリオが待っているんだな」
スティーブン・ジェラードのプレミアにおける最後の舞台。アウェーでのストーク戦を見ながら、ぼんやりそんな感想を抱いた。リバプールはなんと1−6で敗北。

「競輪選手はプロスポーツの中で最も過酷なアスリート」 Photo 鈴木義和

競輪選手にはオフというものがない。 正月から年末の競輪グランプリまで一年を通して全国どこかで必ずレースがある。 グランプリレースのような特別なレースは僅か5分程で1億円を手にする選手もいるが、G?であろうがF?と言われる普通開催のレースも全ての選手は命を掛けてそのレースに臨む。

「NECを優勝に導いた2人のセッター、秋山美幸と山口かなめが歩んだ苦悩の日々」 Text 田中夕子 / TANAKA YUKO

優勝を決めるポイントは、19歳のルーキー、柳田光綺に決めさせたい。2?1とリードして迎えた第4セットのマッチポイント、NECレッドロケッツのキャプテン、秋山美幸はライトの柳田にトスを上げたが、久光製薬スプリングスのブロックにタッチを取られ、1本では決まらない。

「刻まれた新たな歴史――セパタクローに懸ける男たちの物語」 Text 岩本勝暁 / IWAMOTO KATSUAKI

約束の時間は20分ほど過ぎていた。
北千住の裏通り。パチンコ屋の2階にあるレトロな喫茶店には、夕飯の買い物を終えた主婦の笑い声が響いていた。薄暗い照明と深紅の絨毯。だだっ広い空間を生かした贅沢な間取りが、昭和のたたずまいを感じさせる。

「ACL取材はやめられない」 Photo 徳丸篤史

中学、高校、大学と日立台のゴール裏で声出していたサポーター時代。 このまま柏レイソルの近くにいたい。なんとかサッカーを仕事に出来ないものか…なんて事を思い描いていたら、他のものに浮気しなかった甲斐あって、いつのまにか誰よりも選手に近い“ピッチサイド”という特別な場所で写真を撮るようになっていた。